他人との「距離感」、暮らしの中でわかること。


他人との「距離感」(過去のブログ記事参照)について、子ども達に伝えることは本当に難しく、実際のところ、子ども達自身が失敗や成功体験を重ねる中で習得できることだと思います。

それでも、私たちスタッフは多くの時間を子ども達との会話に費やします。子どもの声を聞き、今の状態、状況を知り、子ども一人一人にとって何が必要なことなのか・・・距離感をもって子ども一人一人に応じた支援を、毎日、積み重ねていくことこそが自立支援なのかもしれません。

しかし、毎日、積み重ねているのはわたしたちスタッフだけではありませんでした。彼らはここでの「暮らし」を通して、お互いについての情報を知っていたのです。

こどもたちは日頃からお互いのことで頻繁にモメています。

いがみ合うような場合さえあります。

距離感に難しさを抱える子どもたちですし、もちろん10代特有の感覚も合わさって、なかなかすっきりしないことが起こります。

わたしたちスタッフはその都度、間に入って話を聴いたり、諭したり、あるいは口論したりしながら、心配をしています。

でも、ある晩のミーティングでは、お互いの特徴をよく捉えた発言が目立ちました。

――「待て待て、それ以上しゃべると、クダグダになって流れが変わっちゃうだろ」

――「言いたいことはわかってるよ」

あんなにモメているのに、わかってるんじゃん!

ひとつ屋根の下暮らすということは、わたしたちの想像以上に大きな大きな出来事で、根本的で、感覚的で、自然の営み的なものなんだな!と感じた場面でした。

わたしたち大人からすれば「距離感」の難しさを悩ましく感じていたけれど、子どもたちからすれば毎日の「暮らし」の中の連続が、それを超えていたのでした。

よくもわるくもお互いをよく知るということは、強みになるんじゃないかと思えた今日この頃でした。

そんな「みんなのいえ」をどうぞよろしくお願いいたします。