男の子にとって、お母さんの存在はとても大きいと思います。
同性のお父さんではなく、やっぱりお母さん。みんなのいえの10代後半の男の子との何気ない会話の中でも、お母さんの存在や、お母さんへの気持ち(お母さんに甘えたい、認められたい、一言いってやりたい等)がたくさん出てきます。
ある本にこんなことが書かれていました。誕生から6歳までの育ち・・・「男の子はこの時期しかおおっぴらに母親に甘えることができないため、この時期には肌のふれあいのある関係づくりがとても大切です。男の子は女の子よりも母親から離されることに恐怖を感じ、わざと興味をひくために泣いたり、うるさくしたりします。それほど、この時期の母親の愛がとても必要で、大切なのです」
みんなのいえに暮らす子ども達の中で、この未就学の時期に十分に母からの愛情を受けて育った子はほとんどいません。彼らは今、青年期で肉体的にも精神的にも子どもから大人へと大きく成長する真っただ中にあります。見た目は大人と一緒の体つきですが心と体はとてもアンバランスです。猫なで声で甘え、スタッフである大人に絡んでくる一面がある一方、世の中のことを何でも知っているかの様に大きくみせる言動をしたり態度をとったりと、心の未熟さが見え隠れします。
両親や親類と共に暮らすこと、甘えることが出来ず、働かざるを得ない日々に悩みも多く孤独を感じたり、やり場のない怒りを抱いたりすることもあります。自我に目覚めようとする不安定なこの時期だからこそ20歳を迎えるその日まで心の準備期間としても、みんなのいえでの暮らしを大切に過ごして欲しいと思っています。
お母さんの存在(振り返りエピソード②)