「虐待」とは・・・

「虐待」
この言葉自体をそのまま読んでみると、残虐な行為を連想するマイナスなイメージを植え付けるものだと思います。

児童福祉の仕事に携わり多くの子どもと出会ってきましたが、「虐待」という言葉で、彼らが自分の過去を語ることはほとんどありません。
ご飯を食べさせてもらえずあまりの空腹に段ボールを食べていた子、長期間、カーテンを閉め切られ真っ暗な部屋での監禁を強いられた子、テーブルではなく床で犬食いをさせられた子・・・
子ども達は自分が何故、傷つけられるのか?自分の何が悪かったのか?自分を責め心はボロボロになります。
英語で虐待は「アビューズ(abuse)」。意味には「誤用、濫用」です。力や権力をもった者が、その力を誤用したために起きる事柄に関して使われる意味とのことです。

子どもは力を持たず、幼い子ども程、子どもが自己決定できることはまれです。人としての尊厳が、大人の都合で無視され、理不尽な状況をつくられることが多くあるように思うのは私だけでしょうか・・・
力関係の不均衡が大人と子どもの間で容認されているような社会では、子ども虐待は目でみる以上にかなりの数で起こっていると思います。力を誤用する、濫用するのではなく、子どもの意思や行為を尊重し、子どもの命が尊く、大切なものであることが認められる社会になってほしいと思います。child abuseを経て、自立援助ホームみんなのいえに辿り着いた10代の若者たちと語り合うこと、時間はかかりますが彼らの傷ついた心は少しづつ癒えていき、自分は大切な存在なんだと気付ける時がくると私は信じています。